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2024/06/26 杉田梅で梅しごと~杉田梅の歴史、梅しごとをレポート~

市原由貴子先生に学ぶ、
杉田梅で梅しごと

皆さま、杉田梅をご存知ですか?
じもと神奈川、杉田に由来する杉田梅、幻の梅といわれている通り、数も少なく、希少な梅です。
そんな杉田梅の復活・普及活動に尽力され、ご自身で杉田梅の加工・販売も行っている方がいらっしゃします。
それが市原由貴子先生です。

■市原 由貴子 先生プロフィール
横浜 旬・菜・果代表

料理研究家、栄養士
朝日カルチャーセンター、読売カルチャーセンター講師
横浜技能文化会館 講師
横浜市各所で梅の講師・料理教室・お菓子教室の講師
神奈川県立東部総合職業技術校 非常勤講師

梅の奥深さ、先人の知恵に魅せられ、「杉田梅」を使った料理の紹介・普及活動を通じて、美味しくて健康にいい”杉田梅のある暮らし”の提案を行っている。
梅おばさんとして知られる延楽梅花堂の乗松祥子氏に師事。

今回は市原先生が主催している「杉田青梅の梅しごと」を取材させていただき、杉田梅・梅しごとの魅力をお伝えいたします。

●幻の梅「杉田梅」、
 みんな知ってる?

昔々のお話・・・
かつての杉田(現在の横浜市磯子区)は地質が悪く、穀物や野菜の生産には適していなかったため、天正年間(1573~1592)、 杉田の領主だった間宮信繁は、温暖な土地に合う梅の木を植えて梅林をつくり、その実で梅干に加工して戦陣用の保存食として活用していました。
そして江戸時代、三万五千本を超える規模になった杉田の梅林は、全国的にたいへん評判になり、各地からたくさんの観光客が観梅に訪れ関東随一の梅林となりました。
しかし、時代の流れで梅林は杉田から姿を消し、杉田梅は「幻の梅」と呼ばれるようになりました。

そして現在・・・
神奈川県では大規模な梅林として知られる小田原 曽我梅林の一角に、杉田梅が現存している事がわかり、故郷の杉田で、愛好家による復活・普及活動が行われています。
妙法寺の山門前には、現在も当時の杉田梅の古木が残っており、裏手の山では接ぎ木をした杉田梅の苗木が100本植えられています。

杉田梅の歴史について動画で知る
サムネイルクリック後、YouTubeページが開き、動画再生されます。

●杉田梅とそのほかの梅、
 どこが違うの?

梅には「花梅(はなうめ)」と「実梅(みうめ)」があるのをご存知ですか?
「花梅」は花の鑑賞に適した品種、「実梅」は実を食べることに適した品種で【杉田梅】は実梅に分類されます。

「杉田梅」は、横浜市磯子区杉田に由来する品種改良をしていない日本古来の貴重な在来種の梅です。
大粒でクエン酸濃度が高く酸味が強いのが特徴で、クエン酸濃度は主要な梅の中でも特に高いといわれているそうです。
果肉の繊維質の密度が高いにもかかわらず肉質が柔らかく、完熟梅は大変香りがよいため、梅干や梅酒、梅ジュースに最適です。

開発品種の梅の木は50年ほどで枯れてしまったり、食用に適した実がならなくなってしまったりするのですが、在来種である杉田梅は、樹齢100年以上の梅の木が今も実をつけています。

実はビロードのような見た目で、これは産毛がが緻密であることを表しています。
筋がはっきりしていて、先が少しとがっているのも特徴的です。

●市原先生に教わる、
 梅しごと

実際に先生が作り方を見せながら教えてくださいました。

●最後に

今回の取材では杉田梅の魅力はもちろん、作り手のこだわりについてもくわしくお聞きしました。
そのなかで【梅】について、「塩にも砂糖にも漬けることのできる果物は梅くらいで、だからこそ可能性は無限大」というお話があり、確かに!とハッとさせられ、とても印象的でした。
いつも何気なく食べていているものでも、違う角度から見てみたり、改めて学んでみると知らなかった魅力がたくさんありました。
これからも「食」を通して、様々な魅力をお伝えできればと思います。

取材のあと、会場であった「ひとりざわテラス」でランチをいただきました。
このランチ、全てに杉田梅が使用されていて、とても美味しかったです。

写真左下から
・ご飯(赤しそふりかけのせ)
・鶏肉の梅しょう油煮
・豆腐の梅味噌のせ
・蓮根の赤梅酢ピクルス
・梅ジュース(梅の実入り)
・トマトとレタスのかき玉スープ(梅酢入り)
デザートにヨーグルトと梅ジャム

レシピページはこちら

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